詩
エッセイ
- 05
言葉の席
人のために椅子を引くのは、得意だった。
- 06
どこにも、僕はいない
資料は、よくできていた。
- 07
降伏できる場所
会議で初めて、「できません」と言った。
- 08
近すぎる人
その人は、間違えたから遠ざけられたのではなかった。
- 09
空っぽの声
その人は、うまくないまま続けていた。
- 10
大丈夫としか言えない夜
「大丈夫?」と聞かれた。
- 11
三行しか書けなかった
前の夜は、一晩中書けた。
- 12
包帯のような善意
短い謝罪の下に、反応だけが増えていった。
- 13
いま、この瞬間に
姪は、眠るくらいなら踊っていたかった。
- 14
変なやつと言った夜
好きな子の前で、親友を「変なやつ」と呼んだ。
- 15
閉じる音
その人が、メモ帳を閉じた。
- 16
息継ぎ
その人に、手紙を書こうと思った。
- 17
傷の出所
同じ言葉を言われても、傷つかない人がいる。
- 18
おはようの、その次の一言
人は、変わろうと決めた日に変わるのではないらしい。
- 19
泥のような美しさ
自分の軸を持っている人になりたかった。
- 20
来る側と、待つ側
会いに行くのは、いつも自分だった。
- 21
二秒目が来なかった
結果を知らせるメールを開いた。
- 22
消えないまま、遠くなる
いなくなってから、その人のことを前よりよく思い出した。
- 23
はみ出した黄緑色
花の輪郭から、黄緑色がはみ出していた。
- 24
また来た
昨夜は、ちゃんと幸せだった。
- 25
流れ
朝の八時半に、かつての通勤ルートを逆向きに走っていた。